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【inv0X】 ・・・・・・・・
VOICE
(2010/05/13)
・・・・・・
 ・・・・・・・

 わ・・・声・・・え・・か?
 ・・し・声・・こ・・す・?

 わ・・は目・・ま・た。
 ・・だけ・時・・ぎ・の・・分・・ま・・。
 し・・わた・・・覚・・・た。

 わ・しの・・で来・・さ・。
 ・願・・・す。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 扉の塔と扉の園。そしてサンロードリバー。
 それ以外はただただ荒野が広がるだけのこの多重交錯世界ターミナルは開かれし日より約4年を経て様々な物を得ていた。
 来訪者の拠点として成立した町クロスロード。
 更なる足がかりとして建設された衛星都市。
 そしてその中間に現れた大迷宮。
 管理組合はクロスロードと衛星都市間の交通のため鉄道の建設を発表。その中間駅として大迷宮の上に簡易的な宿場町が設立されることも決まった。
 そうなると目端の利くものの行動は早い。危険を顧みずに大迷宮へと向かった一部の商人達は大迷宮の第一階層を制圧。様々な世界の建築技術を駆使して地下街を建設してしまった。再来以降怪物の出現頻度は普段どおりになったとは言え、なんとも豪胆な行動である。
 しかし地上、そして二階層との通路にバリケードを作り上げた彼らは見事に宿場町を作り上げてしまったのである。
 彼らは早速管理組合と折衝を行い、駅の建設には全面協力を明言。また他の来訪者の不満を抑えるために出入りの制限を一切行わないとした。
 瞬く間に整えられた街に遺跡探索を好む探索者が集まりだし、半月後にはそれなりの体裁が整うまでになっていた。
 新暦2年5の月。彼らはラビリンス商業組合を発足。大迷宮探索のサポートと銘打って本格的な商業活動を開始したのだった。

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「さて、定期例会を始める」
 議長役でもある老人が一同を見渡して宣言する。彼は鑑定のプロでマジックアイテムや美術品等に造詣が深い。主に迷宮での入手品の鑑定、買取を行っている。
「定期と言っても一回目だからのぅ。まぁ、問題があれば挙げてくれぃ」
 軽い調子での発言に集まった他5人が笑みを零す。
「順調ったぁ順調だ。管理組合の丸っこいのみたいな特急の建築はできないが、そのせいで職にあぶれてた大工関係を安く活用できたからな。
 経済は上手く回りつつあるよ」
 製造系をまとめる髭面のドワーフが満足げに発言する。
「エンジェルウィングスが融通を利かせてくれたからな」
 ちらりと視線を送る先にはダチョウが鎮座していた。それがきょろり周囲を見渡し「こちらと儲けに齧れるさかい、ええ話や」と妙なイントネーションで返事をした。彼はエンジェルウィングスの社員である。
「食料、宿泊場所についても今は順調だよ。ただ大迷宮への挑戦者が日に日に増えてるから早いところ寝床の確保をした方がいいかもしれない」
 おばさんな声と口調で話すのは見目麗しい女性だ。だが良く見るとそれは人形かアンドロイドか、そういった物であると分かる。
「けれどもむやみな拡張は迷宮が枯れた時に負債となりませんか?」
 たおやかな声。令嬢という言葉がふさわしい少女の言葉に、人形は「確かにねぇ。今3階層だっけ? 実は4階層で終わりでしたなんていわれたら目も当てられないよ」と苦笑いを作る。
「だが、最低でも100m以上の深度は確認しているのだろ?」
 厳つい体つきのメタリックブラックな肌の男が腕組みのまま問う。警備防衛隊長である彼はコツコツと床を足で叩く。
「音か何かで測ったとか聞いたが」
「音波探査ですね」人形が応じる。「それによると地下2階層から下に100m程度空洞があることが確認されています」
「それ以上先は分からないのですよね?」
 令嬢の問いに「この世界の制約があるからなぁ」とドワーフが髭をしごいた。
 100m先の目隠し。いかなる方法でもそれ以上先の事を遠隔で調べる事はこの世界では出来無い事として認知されていた。
「ただ、横にも広大やろ? 一年で枯れるなんてないやろ?」
 ダチョウの発言を楽観視と見るか、一堂は沈黙で計算式をこね回す。
「クロスロードはその半数近くが探索者じゃ。一気に人が流れ込めばそれもわからんじゃろ」
 老人の言葉に「せやかてなぁ」と羽先で頭を掻く。
「入場制限なんかしよったら、批難轟々やで?」
「当然ね。そこばかりは我々の商運しだいってことかしら」
 人形の発言に皆が苦笑を漏らす。
「……しかし、そう考えると一つ良くない話があるな」
 隊長の言葉に注目が集まる。
「皆も聞いた事があるだろう。『夢』の話だ」
 もちろんこの場の全員が認識している。この大迷宮で寝泊りするとたまに決まった夢を見るのである。それはかすれかすれの言葉で女性が何かを言い続けるというもので、しかしその詳細は『夢』ということもあり一定ではない。
 共通しているのは『女性』が『懇願している』という事くらいだ。
「一部の噂ではこの迷宮の最深部にその女性が居て、助けを求めているという事なんだが……
 もしそうなら、そいつは表層から100m以内に居るということにならないか?」
 率直な意見に誰もが表情を変える。
「いや、すでに二階層からの探査で下に100m以上あるんだぞ?
 そもそも最下層に居るというのは噂だしのぅ。それがこの迷宮の底とは言えまい」
 ドワーフの言葉に「それもそうか」と隊長は深く頷く。
「でも、同時に表層から100mの範囲に意志を持った誰かが居るというのも間違いではないのでしょう」
 令嬢の言葉は今までに判明しているこの世界のルールからすれば恐らく正しいのだろう。
「そうかて、決め付けるものようないんちゃうか?」
「そうねぇ。事実ここはついこの前まで巨大なあり地獄だったわけだし。
 フィールドの中って物理法則が書き換わるって聞いたわよ?」
 ダチョウの言葉に人形が同意する。
「予測についてはさておき、これに対する混乱はあるのかね?」
 老人の言葉に隊長は首を横に振る。
「面白がると言うか、凄い物が眠っているという噂に拍車をかけているだけだな」
「曰くありげだからな」
 ドワーフがにやりとしながら言う。
「おかしな噂に発展しそうであればまた議題にするかのぅ。
 この件については皆別途気にしておいてくれぃ。では次の議題に行こうかの」
 空気を切り替えるようにして彼らは会話を続ける。
 今は深く気にする必要はない。
 そう、その判断はとても正しかった。今は。

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にょーほっほっほ。神衣舞だお。
いきなりなんだよこれ!?って感じですが、説明は一切しません。
うひひひ。こういうのも面白いかなぁって。

次の更新は未定です。うひひ。
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