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【inv24】『百鬼夜行の夜に』
『百鬼夜行の夜に』
(2012/11/28)

「まぁ、ありえるだろうなぁ」
 顎をひと撫で、シュテンは呟く。
「むしろそうだろう」
「分かっていたの?」
「いや? 最初は伏兵でも重ねてこっちをそぎ削りに来ると思っていたんだがな。
 あいつは人任せにして自分が動かねえってのは嫌いな性分だ。
 そんな奴がじっとしているんだ。あんたの意見の方が可能性は高い」
「だったら、このまま術に飛び込むわけにはいかないんじゃないのではないか?」
 わずかに肩を竦めたマオウの言葉に
「だなぁ」と余り興味なさげにシュテンは頷く。
 百人がかりの術式となれば戦術、あるいは戦略級の術式構成を組む事も可能である。かつて律法の翼の過激派がコロッセオでやらかそうとしたのがまさにそれであった。
ましてや地球世界は日本の祈祷術式は人が集まれば集まるほど効果が高まる性質を持っている。総合すると楽観視して良い状況では無かった。
「とはいえ、止まってるわけにもいかねえだろ?」
「力押しで砕くつもり?」
 クネスの避難するような視線にシュテンはぼりと頭を掻き
「俺一人ならそうするんだがな」
 一陣に集うのは比較的猛者と言うにふさわしい者ばかりだが、だからと無敵でもなんでもない。本格的な大規模術式を受ければどれだけの被害がでるか、或いは壊滅すらあり得る。そこに「祭」の参加者を誘導するわけにもいかないだろう。
「どうする? 本隊だけで突っ込むかい?」
 着物姿の女性状態の茨木童子が面白そうに問えば
「それもありだな。
なぁ、アンタ。術がどんなものなのか調べられないか?」
「……大掛かりにやればやるほど何かは分かりやすいとは思うけど……
 異世界の術式なんて簡単に解読は出来ないわ」
 同じく魔術に長けたマオウへ視線を投げるが他人の術というのは例え読めても理解するのは難しいと言う認識は同じようだ。
「だったらわしが協力しようかのぅ」
 すいと現れた好々爺に全員の視線が集まる。
「クネスさんが術式を読む。わしが何の術式かを確認する。
 それなら早いじゃろ? それにアレとはわしも縁がないわけではないしのぅ。
 ……もっとも、あちらとしては一方的に迷惑を掛けられた相手と言われるかもしれんがね」
 大図書館館長スガワラは愉快そうに眼を細める。
「ふむ」
 そんな光景を見ながらマオウはPBで調べた話を脳裏に反芻する。
 酒天童子と源頼光は地球世界は日本のある時代の物語の登場人物である。とはいえ偏に「地球世界」と言っても魔法や超常現象ありな世界から、魔術の欠片も存在しない世界、人族が滅びかけたなどなど類似する世界が最も多い。
その中で彼らがそのどこに所属するかを特定するのはまず不可能だろう。
 それはさておき、酒天童子は最初から鬼として生まれたわけではなく、後に業から鬼に変化した者であるらしい。一説には多頭竜の子だと言うのだから特異ではあったのだろう。
 それを討ったのが源頼光である。神から貰った酒を飲ませ、動けなくしたところで首を獲ったのだと言う。つまりは宿敵同士であるということだ。
 しかしその伝承とは裏腹にシュテンと名乗る鬼はこの地で妖怪種の頭目を務め、勝者であるはずの男は雪辱戦とばかりにこの地に現れた。
 ほとんどの類似世界での酒天童子はこの記述の通りに討たれたのかもしれない。だがこの鬼は例外として勝利し、しかしこの世界に逃れてきたのかもしれないとマオウは思考をまとめた。
「……スガワラさんなら話が早そうね。
 分かったわ、解析やってみる。
 できれば百目鬼さんも貸してもらえるかしら?」
 そんな思考を知ってか知らずか、クネス達は対応の話を進めていた。
「はい、私でよろしければ」
「おう、よろしく頼んだぜ」
 余りにも軽い声を背に受けて、クネスは2人を伴い行動を開始する。
「こっちの様子はどうだ?」
 と、入れ違いに現れた男にマオウは視線を向ける。
「今のところ小康状態だ。
 ただ相手が大規模儀式を用意している可能性があると調査に向かった」
「ああ、そりゃありえるだろうな」
 エディは嘆息漏らしてゴールの方向を透かし見る。
「ここまで色々動かして、最後は力押しですなんてお粗末すぎる」
「ただ問題は術式の場所がはっきりしすぎる事だ」
「本陣にあるはずだから、先に急襲して邪魔をすれば終わりってわけか。
 ……本当にそうかねぇ?」
「他に何かありえるのか?
 この世界には100mの壁という厄介な制約があるのは知っているだろう?」
「だが列車砲はキロ単位で届くぜ?」
 第三次大襲撃で戦果をあげた兵器を挙げつつエディは視線を四方へと巡らせる。
「相手だって切り札を分かりやすいところに置きたいとは思わないだろう?
 今までのようにあいつ1人で来ているなら仕方ないかもしれないが、今回は手駒だって大量に引き連れて来てやがる」
「今回は?」
 マオウが訝しそうにするのを見て「毎年この時期にちょっかい掛けて来てるんだよ。だな?」とシュテンへと視線を振ると「ああ、まぁ。そうだな」とどうでも良さげに応じた。
「だがどうして今さらになって部下なんて引き連れてきやがったんだ?
 確かお前は討伐されたって事になってるんじゃなかったか」
「おう。だがまぁ、全部ばらしてきたって事なんだろうねぇ。
 自身がどう思ってるかは知らんが、あいつには「瀬光四天王」とか呼ばれている連中を筆頭にシャレにならん部下が随分と居るからな」
「渡辺 綱のやつも来てるのかねぇ」
 イバラキが嫌そうに顔をしかめる。
「あいつが素直に留守居なんてするわけがねえな」
 旧友を語るような口調にエディは眉根を寄せつつも「宿命論」かと鼻を鳴らす。
 魔王や邪神などはやたら世界を闇に沈めたり破滅させたがる事がある。だがどうしてそんな事をするのかと考えてみても全く持って分からないケースが色々な世界で見られるのである。
 これは破滅をもたらそうとする者の意志でなく、世界にそういう役割を与えられているからであるというのが「宿命論」である。重力が地表側へ向かうように、邪神は本人の意志も意図もなく世界を滅ぼそうとしてしまうのだ。
 しかしひとたび世界から切り離されてしまえばその強制力は失せてしまう。一陣の後ろで魔王連中が飲み屋の話をしながら歩いているのが良い例だ。属性からいきなり真人間になってボランティアに励むような極端な行動に走りはしないが、クロスロードの一員として楽しく生活するのに支障のないコミュニケーション能力を獲得して、呑気に祭りに参加している。
 だから言って彼らの被害に遭った者が許せるかどうかは全く別の話だ。恨み辛みの刃を向ける先はやはり彼らでしかありえない。そんな事情による事件は過去数件起きていた。
「厄介だねぇ」
と、言いつつもこの変化はと考えれば
「浪花節を感じるねぇ」
 とも言葉が続く。
「あるいはけじめか」
 マオウの言葉は恐らく正しいのだろう。
 エディは先の合流地点方向へと視線を向け、まずは対応のための布陣を考え始める。
 急襲にせよ、術式を防御するにせよ、準備していなくては何も始まりはしないのだから。

◆◇◆◇◆◇◆◇

「アレだけ強けりゃ何も、逃げなくても大丈夫だったんじゃないか?」
 獲物を逃したとばかりにぼやくクセニアを見てアインは小さく肩を竦める。
「……元々本気じゃなかった。
 多分ザザさんを見て、余計に居座ってしまっただけ」
「けっ、こっちにゃ興味もなしかよ」
「……遅れて来たようなものだから仕方ない」
 とは言いつつもそうでない事は重々に理解していた。
 アインも随分この地の探索者を見てきたが、番隊長達の力は一つ群を抜いており、更にルマデアはその上にあった。
 そして、ザザはそれに肉薄しようとしていた。
 自分も、クセニアも、そこらの来訪者達に後れを取るとは思わない。だが、あの戦闘にまともに介入できるとは思えないというのが純粋な感想である。
「ふん。じゃあ今度は一陣にでも行こうかね。
 あそこならまだドンパチはあるだろうしな」
「元気だなぁ。お前ら」
 雷次が呆れた視線をクセニアに向けると、隣にいたアインは「自分は違う」とちょっと距離を取って見たりする。
「まぁ、あっちも気になるけど俺は二陣に残るぜ。
 安心させて、って可能性もあるしな」
「伏兵とかも居そうだしな。
 よし、それを狩り出しに行くのも面白い」
「……同行する。遊撃の方が性に合ってるし」
「おう」
「あ、みなさんまた移動ですか?」
 銃を担いで近づいてきた一之瀬にクセニアは「お前もいくか?」と主語無しの問いをして「え?」という顔をされたりする。
「伏兵狩り。多分まだ色々居そうだし」
「ああ。なるほど。
 あ、それはともかくですね」
 と、彼は西方やや斜め上方向を指さした
「あそこ、なんか妙に明るくありません?」
 あそこ、というのがどこを指すのか?
 一応視線は向けたものの、焦点を定める事ができず改めて問いなおそうとしたアインは、ん?と違和感に視線を戻す。
「空が、明るい?」
「ああ、うん。ありゃ下からの光か?
 かなり淡い色だが……祭りのレーザー照明とかじゃないのか?」
「いえ、上から見たんですが防壁の向こう側っぽいんですよね。
 あと実は四方に似たような感じで。ここからだと南はほとんど見えませんけど」
 アインは首をかしげ、それからトンと空へと身を躍らす。
「……ああ、うん。ある」
「町の外でイベントとかやってましたっけ?」
「一般客も居るのにそりゃないだろうよ」
 昼夜問わず怪物はやってくる。そのほとんどは自動迎撃可能であるとはいえ、そんな場所を会場にするメリットは全くない。ましてや祭りの会場から遥かに離れた南門の向こうで何かをする意味など皆無だ。
「こりゃ、怪しいな」
 舌舐めずりしそうな感じでクセニアは呟き、アインは呆れたように彼女の横顔を見た。
「怪しいとはいえ、流石に警備隊の派遣はできないだろ。今から防壁の外なんて戻ってくる前にパレード終わるぜ?」
 雷次の言葉ももっともである。円形の都市であるクロスロードの直径は約30km。空を飛べる者であれば三十分もあれば目的の場所まで到達するだろうが、帰ってくる頃には百鬼夜行は終わっておかしくない。
「どうしたもんかね」
 誰かの勝手な趣向か、あるいは見間違いならばとんだ無駄足であるし、戦力を削る事にもなる。
 三人は顔を見合わせ、思案する。
 さて、どうするべきか。

◆◇◆◇◆◇◆◇

 癒された己の拳を眺めていたザザはふと顔を挙げた。
 クセニアとアイン、援護をしてきたのはあいつらだったか。
 最後に介入してきたのはエディだろうが、彼らは律法の翼が退いたと見るや次の場所へとさっさと移動したらしい。
 瞑目し、小さく首肯する。
 満足という言葉が胸をかすめた事をまずは喜ぼう。この縁はまた自分の納得と、先への渇望を生むのだろう。
 彼は何やら相談する三人の傍へと歩き、それから雷次の肩を軽く叩いて横を過ぎる。
「あ、ザザさん?」
 言葉に振りかえらず、ただ軽く背中越しに手を挙げて観客側へと歩を進める。
 さて、と内心呟く。
 この先なにかあるとすれば集合場所にして、武士団が陣取る地点であろう。
 その方向へと大股に歩を進める。
 各陣の進行はかなり遅々としてしまったため何の障害もなく進めばそれほど時間をかけずに合流地点にまで到着できる。
 そこは扉の園の外延部とニュートラルロードが交差する場所だ。ここからニュートラルロードは扉の園の外周を沿うように分かれ、橋を経由してまた扉の園を四半周しつつヘブンズゲートまでの直線道に戻る。
 ちょっとした広場になっているそこに物々しい集団が陣取って居る。
 彼らは中央に天幕をひとつ張り、周囲を武士で固めていた。
 あの中で何かやって居るのか、はたまたただ泰然と待ち構えているか。
 弓持ちも居るため、軽い気持ちで空から覗こうとすれば射られかねないだろう。
「焦りは無い、が、緊張はあるようだな。
 やはり何かを仕掛けようとしているようだ」
 自分はその何かを覗く必要があるのか?
 自問に対する答えを彷徨せながら彼は未だ続いているらしい派手な喧騒へと意識を向けた。

◆◇◆◇◆◇◆◇

「ちょこまかとっ!!!」
 一応目的通りに3陣の進行を助けているはずなのだが、破れかぶれに近い精度で繰り出される彼女の拳がどんどん舗装された道を破壊するので、申し訳ない気分になってくる。まぁ。無駄に優秀な戦闘員が明日までになんとかしていそうではあるのだが。
 それにしても、とヨンは巻き込まれすりつぶされそうな程の拳圧を感じながら自分の現在位置を把握する。
 集合場所まであと10分も歩けば到着するだろう。そこでもダイアクトーが暴れるようであれば最早収拾がつかない。
 そろそろ退き時かとフォローに回って居るヒーローへと目配せを送る。
 それから足を止めてわずかに覚悟とその覚悟に伴う痛みに後悔しつつもダイアクトーの拳を受けようと動く。
 これで吹き飛ばされ、撤退する。
 そうすることで黒服達が上手くヨイショして撤退の流れに持ち込んでくれるだろう。
 敵との信頼関係というのもなかなかに珍妙だが、それで守れる精義と秩序があるのならば何も問題は無い。
 とまぁ、そんな事を考えた結果
「うぇ!?」
 焦り声を聞いて「は?」と抜けた声を上げる。
 ダイアクトーの拳の珍妙な軌道。それは思いつきでフェイントなるものを入れてみようとしたが、まるでそれを見透かしたように───その実、ただ覚悟して受けようとした彼が予想外過ぎて目測を誤り、
「みぎゃっ!?」
 なんか足を変なふうに捻って転倒する。しかしたかだか転倒とはいえ、そこに掛かっている速度とパワーは軽く人をというか家を破壊できるレベルである。
 そして受ける事を覚悟していたが故にヨンは体勢を崩したまま突っ込んでくる少女の体を避ける事はできなかった。
「ぐぇっ!?」
 ずごんと頭が胸板を叩く。狙った動きで無いため威力は格段に減衰しているが、一気に肺の空気が押し出され、更に変形ボディプレスを耐えるだけの力を振るえずに巻き込まれて転がる。
 ダイアクトーには勝利目前で余りにもコメディチックなミスをしでかして勝手にダウンするという妙な癖があるのだが、まさしくそれが今発動したようである。
「うごぉぉおお!?」
まるで地獄車。車輪の化した二人は物凄い速度で通を往き、途中で石か何かに引っかかって軸線を狂わせると、沿道を越えて近くの店にダイナミック入店してしまった。
 この街の扉にしては脆いと思うかもしれないが、大通りに面した店舗では各店舗主の好みで改装する例は多く、それに対して管理組合は何も言わないが協力もしない。解体時のみは手を出すような感じである。なのでこの店も見た目通りの建材を使っており、その結果被害に遭ったことになる。
「ったたたた……」
 幸いと言うべきか、傷は大したことなく、しばし放っておけば勝手に治るだろう。
 当面の問題は大の時に寝る自分の上に気絶したダイアクトーが居る事だ。
「あー、今のうちに黒服さん回収してくれませんかね」
 目を回すダイアクトーの両肩を掴んでまずは起こそうとして

 こつん

 ダイアクトーのマスクがヨンの胸元におちた。
「え……?」
 表に出るのは真っ赤な髪の美少女の顔。
「ってうぉぞおお!?」
 いやいや、最終回であるまいに、敵の素顔を見てしまうとか無いだろとセルフ突っ込み入れつつ慌ててマスクを拾おうとして、離された肩の方から崩れて再びヨンの胸に飛び込んだような姿勢になり
「うむ……?」
 起きた。
「と、とぅっ!」
 悪いとは思うも背に腹は代えられない。
 仮面を手にしたまま少女の顔に強めに叩きつける。
「ふぎゃっ!?」
 避ける間もなくそれを喰らったダイアクトーだが、ダメージは意図した通りそれほどでもないようだ。それよりもぽろりしそうな仮面に気付き、慌てて抑える方を優先したらしい。
「くっ、仮面が無ければ即死だったわ!」
 いや、そんな殺すような威力で女の子に顔殴りませんよ!とか内心思いつつも立ち上がって距離を取る。
「ふふ、その仮面の下、暴いてあげますよ!」
 言ってそれじゃこっちが悪役だぁとか、ちょっと自己否定しつつ
「ダイアクトー様、素顔を晒すわけにもいきません。ここは口惜しいですが一度退きましょう」と言ってくれている黒服を見た。
「ふ、ふん! 命拾いしたわね。
 良いわ、今日はここまでにしてあげる」
 仮面に押しつぶされる形になった鼻が痛いのか、ちょっと涙声の鼻声な感じでダイアクトーが捨て台詞を吐き、さっさと退場してしまう。
「な、なんとかなりましたね……」
 後は、自分がその素顔を見てしまった事にどうか気付きませんようにと
 彼はアンデッドの身で神に祈るのだった。

◆◇◆◇◆◇◆◇

「三陣はヒーローがなんとかしそうですし、二陣も片付いた後のようですな」
 ブランは阻害なく進む二陣を眺め見て、それから一陣の進行ルートを確認する。
 こうなると激戦区は一陣に違いない。
 そう判断を下して行動を開始する。
 二陣の方も随分な被害が出ていたはずだ。その治療に行く事も考えたが一陣のルートをまたいだ向こう側とあって機会があれば程度でいいやと勝手に締めくくる。
「まぁ一陣ですかね。マオウさんとクネスさんの安否確認もしたいですし、観察対象も多いですし」
 自己確認の呟きを残して移動を開始しようとしたブランの真横を人間大車輪が通過。すぐ横の店のドアを破って店内に転がり入ってしまった。
「Vさんだったように思えますが?」
 そぉと覗くともつれるように倒れるVとダイアクトーの姿があった。
「おー、なんというラッキースケベ。やはり侮れません」
 見た感じダイアクトーに押し倒されているようにも見える。ブランの呟きはもちろん二人には届いていないので事態は進行。どけようとしたのかダイアクトーをぐいと押し上げると仮面がぽろりして
「今、思いっきり顔面凝視していましたねぇ……これ、悪の首領的にNGなのでは……?」
 どうやらダイアクトー本人は気絶っているようで、これ幸いと仮面を戻そうとしてのコメディ展開。ますます侮れないと妙な関心をしていると捨て台詞を吐いたダイアクトーが仮面を抑えつつ出て行ってしまった。
「……とりあえずですね」
 今の一件は世間様にお知らせしても余り良い事はなさそうなので、いざと言う時のために心にしまうとして、先ほどの思考通り一陣の方へと向かう事にする。
 どっちかというとヨンに気付かれる前にここから離れるべきだとそう思ったのである。
 切り札はそれがある事事態見せないべきである。
 むふんとそんな事を内心呟いてドヤ顔しつつ、ブランは町を往く。
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というわけで次回最終回の予定です!
 果たして武士団の狙いは!?
 というわけでリアクションよろしゅうおねがいします☆
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