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【inv24】『百鬼夜行の夜に』
『百鬼夜行の夜に』
(2012/12/15)
 この世界が開かれ、そして『来訪者』達がおとずれて現れてからすでに五年以上が経過している。
 様々な世界の技術が集結し、あらゆる難題を解決できる環境が整いながらもそれでもなおその生活圏が非常に狭いのはこの世界特有の法則が足かせとなっているからだ。
 その最たるが『100mの壁』
 純粋な光学と音振動以外の情報は100mを越えて正しく届かないという現象は、それと気づくまでに多くの混乱を招いたと言う。
 特に千里眼など、特異な知覚を持つ者たちは悲惨だ。その基本特性を封じられまるで暗闇に放り込まれたようになってしまった。
 また、召喚術師も一つの混乱の種であった。支配し、使役していたはずの怪物が突如その支配を断ち切って自由に動き回ったのである。逃亡するならまだマシだが術者へと反逆をするケース、周囲を適当に破壊したケースなど、挙げればきりがない。
 更には過去視、未来視といった時間に関する術。テレポート、アポートなどの空間に関する術もその力を大きく制限され、ほぼ使い物にならない。
 魔術だけではない。無線、電話、レーダー、光学標準器、無人偵察機などなども100mの壁を越える事はできなかった。
 この情報の遮断は人々がコアタウンであるクロスロードから大きく離れる事を許さない枷となり、時間が流れた。
 しかし、彼らも無為に日々を過ごしているわけではない。
 100mの壁についても、その他の法則についても。
 少しずつ、隠れ潜むセキュリティーホールを見つけつつあった。

 ◆◇◆◇◆◇

「100m以上の通信ねぇ。
 都の術師の中にゃ式使いが居たが」
 イバラキが目を細めて顎を撫でる。和装美女の姿をしていてもこういう仕草は男っぽいところがある。
「召喚術のようなものか?」
「詳しい原理は知らないけど、そう思っていいんじゃないか。疑似霊魂を宿らせているから死霊術とも違うし」
「ゴーレムに近いですねぇ」
ブランがひょこりと口を挟むと
「それならば100mの壁は無視するかもしれん」
 とエディは思考を巡らせる。
 あくまで100mの壁が遮断するのは情報だ。完全支配はもちろん100mを越えれば不可能になるが、プログラミングされた行動や自律的な行動は継続して行われる。実際クロスロードでも伝書鳩に類する通信手段は比較的多く使われている。
「しかし、アレとは関係なさそうではあるな」
「ですねぇ。あれは完全に射程外でございます」
 仮に式神を大行列させて力を伝達させると言う方法を取ったとしても余りにも悪目立ちが過ぎるだろう。気付かないはずがない。となればキロ単位で離れた光の柱はこの件と無関係と言わざるを得ない。
「だが、本当に無関係か?」
うっすらとした光の柱。言われねば気付かぬようなそれを訝しんですでに数名が行動を開始しているようだ。
「とにかくやっこさんが何かを仕掛けようとしているのは間違いなかろうな」
「ですがここまで来る間にめぼしい話は見聞きできませんでしたが」
 色々と寄り道してやってきたブランは逆に怪しいくらいに大した話題を聞く事が出来なかった事を訝しく思いながら鼻を鳴らした。「そも準備期間、祭りの2日間で警備隊が随分と町を見回りましたが大した仕掛けは発見できなかったのですよ」
聞けば去年までは野良術師などがいろいろ適当に仕掛けをして大いに問題を起こしてくれたらしいのだが、今年に限ってはそれすらも何者かに排除されている雰囲気があった。
 もちろん現在進行形でも調査は続いているのだろう。しかし本部にもそれらしい話は入って居なかった。
「考え込んでもラチがあかねえな。
魔術や探査に向いてるヤツはそこらへんを改めて調べてくれ。何かあったらすぐに報告」
 エディの号令に数人が動き始める。とは言えもうあまり時間は残されていない。どれだけの成果が上がるかは運次第かもしれなかった。
「発動前に潰さないと何が起こるかわかったもんじゃないしな」
 おおよそ『大規模術式』と呼ぶべきものを仕掛けようとする相手の懐に飛び込む趣味はエディには無かった。シュテンはどうだか知らないけれども。
「祭りも終わりが見えてまいりましたねぇ……」
 単純に「祭」と呼ぶには厄介な饗宴。
 その果てにして終着点はこの大道の向こうに見えつつあった。

 ◆◇◆◇◆◇

 太刀が向けられる。
 術式の調査のために先行したクネス、百目鬼、そしてスガワラ老。彼らの姿を見止めた武士が警戒の視線と共に刃を抜いている。
「これ以上踏み込むと切られそうね。
 ここからでも分かる?」
「はい。力の流れを見る事はできます」
 百目鬼の言葉にクネスは小さく頷きややあって全ての目をほんの少し大きく見開く。
「なんですかこれ、四方から力が流れ込んできていますよ」
「ほう、これは」
 その言葉を受けてスガワラ老は黄の陣幕と微かに漏れ聞こえる呪言に声を挙げた。
「祈祷、ね?」
「うむ。これまた随分なものを呼ぼうとしとる」
「呼ぶ? 召喚はこの世界じゃ使えないわよ?」
 世界間という距離をまたぐ召喚術もまたターミナルでは使えない技術の1つだ。
 例外としてはその場の精霊力を抽出し、形を与えるタイプの精霊術や、マジックアイテムに封じた召喚獣を呼び出すタイプだろう。
「正確には力に形と意味を与え、『顕現』させる術じゃな。術式は道教、神道、風水を混合させた陰陽五行術。しかし……」
 スガワラはあごひげをひと撫でして
「これほどの術、何百人集めたところで成功はせん」
「どういう事?」
「一言で言えば『場が悪い』。
 陰陽五行の条件が整っておらん。そもこの中央はニュートラルロードとサンロードリバーの交差する土地で水行と金行が強く、相乗して水行が圧倒的に場を占めておる。
 これでは玄武を呼び出すならともかく、アレを呼ぶ事などできまいよ」
「流石は天神殿」
 賛美の言葉と共に周囲の武士よりも一回りでかい太刀を担いだ髭だるまの男がのそりと現れた。
「学問の神に封じられる事はある」
「渡辺綱殿とお見受けするがね。
 『わしは』そんな大層な者じゃないよ」
「確かに。化生の臭いがするな」
「如何にも。わしは怪異の類じゃからな」
「……面白い。菅原道真公に対する畏敬の塊か」
「流石は妖怪退治のプロ。一目で見抜くか」
 クネスが「どういう事?」という顔をするが、百目鬼もきょとんとするばかりだ。
「しかし敬う念をも有しているということは、その才覚、この陣を見抜いたか」
「分かりやすいからのぅ。『天帝招来』か。なんともまぁ」
 クネスは素早くPBに情報確認。
 天帝。それはある文化圏における最高神とも言うべき存在らしい。しかしただ凄いという情報だけで詳細は不明瞭だ。
「しかし土の気、央を示すそれがなく、四方に四神も対応する竜脈もない状況で招けるとは思えんが」
「ないなら作れば良い」
 さらりと言い放ち、スガワラ老は視線を巡らせる。
 ほんのりと見える地から空へと昇る光。
「やはりあれ、か」
「ちょっと待って。あれ、遠目でも数キロ先よね?
 それじゃ意味がないんじゃなくて?」
「100mの壁というやつか。だが関係あるまい」
 クネスの言葉に武者はニィと笑みを見せた。
「ちょっと土地をいじったようなものだ。そして陰陽風水としては『あれば』それで良い」
「環境構築……別にあれ自体に干渉しているわけじゃないから、100mの壁も関係ないって事?」
 クネスの導きだした推論にスガワラ老はわずかに間を開けて頷く。
 そのやり取りを見て武者はカカと笑った。
 要するに雨乞いをしたければ晴天よりも雲がある方が良い。そういう類の準備ということだろう。
「さてあの鬼は相変わらずの傲慢だな。
だあが、ここに至れば全て一撃の元に吹き飛ばして見せよう。尻尾を巻いて逃げるならば今ぞ?」
「……」
「……」
 クネスと百目鬼の沈黙。それから一つ頷き
「でも到着までに崩してしまえば良いのよね?
 百目鬼さんは一陣へ連絡よろしく」
「……しかし」
「大丈夫。いざとなったらちょっかい出してくる人がいるから」
 視線を巡らせれば、3つくらいでかい巨体が腕を組んでこちらを見ているし、いつの間にかマオウも近くで成り行きを見守っていた。
「それにね。ここ以外でも邪魔は始まっているはずだわ」
 確信を持って呟かれた言葉。
 それは事実、始まっていた。
 
 ◆◇◆◇◆◇

「武士と術者みたいなのが居ますね」
 無事なスナイパースコープ越しにその存在を確認する。ここは町の北側。ヘルズゲートの上である。城壁から何やら儀式をする武士の姿を確認し、後ろに立つクセニアを見た。
「あいつらの仲間ってのは間違いないな。
 とすれば放っておくのも面白くないか」
「折角来たわけですしね」
「じゃあ援護は頼んだ」
 同じ銃使いでもクセニアと一之瀬では戦い方が大きく違う。銃というカテゴライズに対する戦い方としては一之瀬の方が真っ当なのだろうが、クセニアの戦い方が悪いというわけでもない。銃弾と言うのは一度放たれればよほどの事がない限り決まったラインをまっすぐに飛ぶ。それは距離があればある程相手へ対応の余裕を与えると言う事になる。無論常人からすればいくら距離があろうとも銃弾をどうこするなんてことは考えもしないだろうが、ターミナルの来訪者は射撃に対して物理で対応する者も少なくない。
 そういう者にとって前向きに突っ込んでくるクセニアの戦い方は見えない刃を持った敵のようなものだ。
「敵襲! ここを死守するんだ!」
 武士が慌ててクセニア達への対応を始めるのを見て、ここは壊すべきだと確信した。
 接近される前に三人の武士が吹き飛ぶ。派手に動くクセニアに隠れるようにしてある程度近づいた一之瀬が横合いから一発撃ち込んだのだ。
「くっ! 怯むな!」
 怪しい術には見慣れている妖怪狩りの名手達だが、実直な銃器に対してはどうやら慣れていないようだ。
「ふふ。楽しませな」
「余り無茶はしないでくださいよ。殺すのも気分のいい話じゃないですし」
 すっかりやる気のクセニアに一声かけて、一之瀬は非殺傷弾を装填するのだった。

 ◆◇◆◇◆◇

「怪しいなぁおい」
 一方ひがし東側の光の柱へやってきていた雷次もまた錫杖を手に武士を睨みつけていた。
「てめえら、何をしでかすつもりだ」
 無論答えは無い。代わりに刃を抜いた武士が綺麗に包囲を固め始めていた。
「こりゃ、一人じゃ荷が重いかな」
「……なら手伝う」
 舞い降りた漆黒が不意打ちとばかりに武士の一角をなぎ払った。
「ありがてえ」
 奇襲が生み出した隙と動揺。それらを見逃さぬと雷次もイカヅチの刃を奮う。
 吹き飛ばされた武士が青の陣幕をなぎ倒し、中に鎮座していた錫らしき金属を盛大にぶちまけた。その結果だろうか、立ち昇っていた光が揺らぎ、薄れていく。
「何を企んでいたかは知らねえが、これ以上好き勝手にはやらせねえよ」
「くっ、間もなくだと言うのに……!」
 一度は倒れた武士がよろよろと立ちあがって二人の前に立ちはだかる。その陰で術者達が術の再開を優先させようとするのを見て雷次は前へと飛び出す。
「余裕じゃねえか!」
「悲願のために、為さねばならぬのだ!」
 裂ぱくの気合いと共に放たれた言葉が刃に乗る。
 がぎんと凄まじい音を立てて錫場と太刀が交錯し、しかし纏った電撃が太刀を渡って武士を襲う。ガァと鳴いて男が崩れ落ちる光景を見てなお残った武士は二人への対峙を崩さない。
「……怖いくらいの覚悟」
「まったくだ。そこまでしてシュテンを殺したいのかよ?」
 無言。だがそれは肯定を意味すると悟り、雷次は錫場を構えなおす。
「ぜってぇ潰す」
 祭りの末まで後わずか。
 ここに来た者の責として、雷次とアインは術の妨害のために武士へと躍りかかった。

 ◆◇◆◇◆◇

 そして、時は満ちる。
 北と東。立ち昇る光が揺れるのを見て集団の長はゆっくりと立ち上がった。
「ここに来て妨害されるとは」
 なればと呟く。
 皆の協力を得てなお為せなかった責は取らねばなるまい。
 陣幕を出れば多くの観客を道としてその先に悠然と歩く巨体があった。
 彼は静かに刃を抜く。すると近くに居たこの地の者だろう数名が警戒の姿勢を取る。
「行って来いよ」
 男は笑い、並ぶ者たちも彼のために道を作らんと前を歩く。
「おう、人間の策ってのはやめにしたのか?」
 びりびりと腹の底に響くような大音声。鬼の発した声に観客がびっくりして静まる。
「貴様は……随分と人間臭くなったものだな」
「そいつはけなしているのか?」
 静まり返った故に二人の言葉は明朗に響く。
「……わからん。貴様が鬼道から外れると言うのであれば、それは人の理として歓迎せねばなるまいか」
 されどと武者の統括者は刃を抜く。
「過去が消えるわけではない」
「言い訳はしねぇがさりとて首をやろうとは思わんな。
 というか、何回目だこのやり取り」
「これで最後だ」
 それは勝利宣言とは誰の耳にも届かなかった。
 そして始まる戦いに一陣の参加者たちが祭りの締めだと躍りかかる。
 爆発するような戦場の音を見て
「行かないのか?」
「もう俺は充分に暴れたからな」
 気にいったのか(=ω=)を撫でながら問うマオウにザザは小さく肩を竦めた。
「俺が出張る必要もなさそうだ」
「そうかもしれないが」
 視線を向ける。建物の上にいくつかの影。
「そうでないかもしれぬな。ハイエナの臭いがする」
「やれやれ、無粋だな」
 とはいえ、二陣も三陣も、他の陣も結集しつつある今、ここにはこの祭りを守るための者、そしてそもそもの主力級戦力が集いつつある。
 が、毎年懲りずに蠢いていた連中の活動が余りにもなかった。
 それらがどうやら、この乱戦を好機と狙って集ってしまったらしい。
「無粋なちゃちゃは入れさせない。その程度なら」
「ふん。誰に言い訳している?」
 マオウの指摘にバツの悪そうな顔をしたザザはやがて苦笑いを浮かべて前へと出る。
「まぁ、乗りかかった船だ。
 シュテンの戦いに水を差しそうな馬鹿も多そうだしな」
「だから、誰に言い訳しているのだと」
 別に答えを求めるわけでもない問いを洩らし、マオウも漁夫の利を得んとする者達の討伐へと加わった。

 ◆◇◆◇◆◇

「夢の後って感じだねぇ」
 祭りの翌日。大喧騒の後をセンタ君達がせっせとゴミ拾いしているのを見ながらエディは余ったと言われて貰った酒を片手に眺めていた。
「結局最終決戦はどうなったんですか?」
 ヒーローのよそおいを解いたヨンが尋ねる。彼もまた集合地点へと急ごうとしたのだが、漁夫の利を狙う連中の対処に手間取り、その結末を見る事ができなかった。
「共に一撃、入れ合って終わりだ。
 とはいえ、シュテンの旦那はでけえからな」
 先制したのは瀬光の方だった。力自慢の来訪者達が見惚れるほどに綺麗で、鋭い一閃は鬼の胸板を切り裂いた。
 しかし、浅い。
 否、人間であれば肋骨を引き裂き、肺を真二つにしただろうそれも鬼の分厚い胸筋を削っただけに終わった。
 となれば鬼の手番だ。豪快な一撃は刃の戻しが間に合わぬ武士の腹にまともに決まり、人間がまるでボールかと錯覚するほどに跳ね、天幕に落ちて行った。
 余りにもあっけない幕切れ。しかしシュテンはガハハと笑い
「今度ばかりは殺されるかと思ったぜ」
 と、壊れた天幕へと声をかけ、前へと進んだ。
 武士たちが何をしようとしたのかを知らぬ者達からすれば、その言葉は挑発か嘲りかと思ったに違いない。しかし鬼はこの地に集まりかけていた力を読み取り、そして賛美を送ったのだ。
「それで終わりですか」
「終わりだったな。副将みたいな男が撤収命令を出した。
 シュテンも後追いするつもりは無かったしな。扉の園に武士団が撤退して終わりさ。
「それは何とも、拍子抜けかもしれませんね」
「やっこさんらは策を完全に潰されたんだ。仕方あるまい」
「でも、陣の構築とは恐れ入ったわね」
 新たに現れた吸血鬼にヨンはどうもと頭を下げる。
「彼らは力の流れる水路を作った。出来あがった水路は例え100mを越えようとも逆流はしない。上から下へと流れて行ったわけだわ」
「魔術のように意味を持った力なら歪んでしまうのでしょうけどね」
「純粋な威力は通常の減衰に留まるのだから、あえて力をそのまま流して集めるというのはこの世界でも有効な手段と言う事ね」
「それはそうと、あんたも祭りの余韻にでも浸りに来たクチかい?」
「百鬼夜行の打ち上げから逃げて来たばかりよ」
 打ち上げと称し、残った酒や食べ物をかき集めた大宴会の音はここまで響いている。
「二人は参加しなかったの?」
「逃げ出すにもコツがあるのさ」
 手にしたその余り者の酒は打ち上げの場でせしめたものだ。
「これから本格的に冬ですねぇ」
 いったん途切れた話題を繋ぎ直すようにヨンは呟く。
「今年は大襲撃が無ければ良いんですけどね」
「お前が言うとフラグに聞こえるからやめろ」
「まったくね」
「……同意」
 ふと増えた声に視線を向ければ疲れた顔のアインがちょこんと近くに座って居た。
「逃げだせた、って感じですねぇ」
「……雷次さんとか、クセニアさんとかはまだ絶賛飲まされ中だった」
「ブランさん見なかった?」
「……最初の頃は見た気がするけど、多分途中でどっかの輪に巻き込まれたと思う」
 下手に声を駆けまわれば付きだされるのはコップと酒だ。その果てがどうなるかは押して知るべし。恐らく調査のためにウロウロしていたのだろうが場が悪かった。
「だとすると、宴会場で見なかったのは一之瀬さんとザザさんかしらね」
「ザザさんはさっさと帰った見たいですし、一之瀬さんは銃壊されたとか言ってましたから修理とかしてるんじゃないでしょうか」
 ヨンの推測混じりの言葉を聞き流し、不意に刺しこんできた光に皆目を細める。
「来年はやっこさんら来るんだろうかねぇ」
 朝日をまぶしく見ながらエディは残った酒を煽る。
「案外観客として来るかもしれませんよ」
「……だったら、シュテンさんは喜びそう」
 そんな会話をもうしばらく続けた彼らは、誰かのあくびをきっかけにその場を後にする。
 百鬼夜行の夜は終わり、冬の朝が訪れる。

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 というわけで百鬼夜行祭りはこれにて終了です。
 最後はシュテンvs瀬光なのでプレイヤー的には横の話ということでカットしちゃいました。壊された天幕が1つだけならとっても愉快な御大がどーんと現れて比較的酷い事になって居たのですが、みなさんちゃんと対応してくれましたので事なきを得たというところでしょう。
 ともあれお疲れさまでした。
 次のシナリオもよろしくお願いします。
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