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クロスロードの歴史
5.『大襲撃』
 小競り合いを続けている中、この地に根を張ろうと目論む三軍は秘密裏に他の土地の調査も続けていました。
 《扉の園》周辺には利用できる資材が無いのは知られていましたが、地球規模の世界全てが何もない平地と思う者はおらず、この世界を得るメリット────森や石切り場、鉱山等を求めての調査を行うのはむしろ当然の事でした。
 ですがめぼしい結果を得られないばかりか、派遣部隊の半数以上が戻って来ないという結果が続いていたのです。
 何故彼らは戻ってこなかったのか。
 その理由を来訪者達はようやく知ることになります。

 見渡す限りの『怪物』ども

 この一文を誰が言ったかは定かであありませんが、この『大襲撃』を語る上で必ず口上にのぼる言葉です。
 小さい物はゴブリンやコボルト、スライムやジャイアントビーストの類。
 大きい物は魔獣や魔竜、ロボットと言うしかない存在まで。
 各世界の来訪者達が脅威と思う存在のごった煮が遥か広がる地平を覆っていたのです。
 地響きを巻き起こす大攻勢に応対できるのは、この地で長く戦い続けた三つの軍しかありませんでした。
 一度目の襲撃で大きな痛手を負った三つの軍は停戦条約を締結。
 自分達を守るために共通の敵に相対することにしたのです。
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