新暦1年12の月。
外壁の仮建設が終了しひと段落したかに見えた衛星都市に急報が飛び込んでくる。
数万単位の『怪物』が衛星都市に殺到しつつあるというのである。
大襲撃の再来───その悪夢に対し、来訪者はあくまでも強気だった。
これに対し、衛星都市に駐留していた探索者の大半は抗戦を主張。さらにクロスロードからの援軍も一万前後到着。クロスロードと比較して圧倒的に防備の薄いこの戦いに来訪者たちは望み、そして事実上勝利する。
衛星都市での犠牲者は約5000名。負傷していない者はまずいないというありさまであったが、『大襲撃』と比較すれば十分の一以下の被害であり、クロスロードに限って言えば、被害はほぼ0であった。
この再来でいくつか判明した新事実がある。
この世界はもともとこんな平原だけの何もない世界ではないのかもしれない、と。