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〜追加情報〜
12:力の抑制と解放
 出身世界でできた事が多重交錯世界ではできなくなっているという報告が多数あり、これは元々の世界で特に力の強い者や神話級の武具において顕著に現れる傾向にあります。
 この原因に扉が関与しているだろう事はほとんどの学者が認識を同じくしていますが、どういう条件で抑制されているかについては諸説あり、議論がなされています。
 現在最も有力視されている説として
  ・あらゆる世界で個の力を段階評価をした結果を多重交錯世界の段階評価に投射している。
  ・多重交錯世界での対象への評価(認識・認知度)で評価段階が上昇し、より大きな力の行使が可能になる。

 の2つがあり、これは「扉による能力の相対的平均化」「共通認識による能力の拡大現象」と称されています。

 もう少し詳しく説明しましょう。
 巨人の世界があり、そこの王者が居るとします。彼の強さは世界で一番なので10段階評価でトップをもらえます。
 一方で小人の世界があり、同じくそこの王者が居る場合、やはり彼もその世界での評価はトップです。
 この二人が多重交錯世界で相対した場合、共に10段階評価のトップですので多重交錯世界では「同じランク」と見做され、同等の力を許される事になります。
 これが「能力の相対的平均化」作用です。

 ですが、実際には巨人のパンチを小人が受け止める事はできません。
 これが2つ目の理論「共通認識による能力の拡大現象」による影響です。
「巨人のパンチは大きな質量を持つため、小人では支える事ができない」
 この認識を持つ者が多ければ多いほど小人と巨人の純粋な力の差は大きくなります。
 これと同時に「小さいと当てにくい」「小さい物は素早い」などの認識が巨人を強くしたものと同等程度の力を小人に与える事になります。
 結果総合力としては巨人と小人の力は同等となるのです。

 この理論は多重交錯世界独特のものではありません。
 神族に良く見られる「信者の数による力の増減」という現象に近いものではないかと考えられています。

 そうするとプロパガンダひとつで超絶的な英雄を作れるのではないかとの推測がたちますが、もうひとつの要因がこれを成立させていません。
 もう3つ目の要因となるそれは「自己認識による力の抑制」
 小人が巨人を見て「力比べでは勝てない」と認識してしまえば、その分だけ力関係は変化すると考えられています。

 詰まるところ多重交錯世界で「強くなる」にはどうすればいいか。
 それは結局のところ経験を重ね、自己を鍛え、成果を出す事がすべてとなります。
 そうする事で、「自分の世界での能力評価」「他者からの認識」「自己評価」の三要素が向上し、強くなっていくのです。
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